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●前サイトからの転載●   亜美画 「着物のおねいさん」

「姫君の名は苺」

                                      BY. tom


戦国時代、東北の小藩の城内に「苺姫」という美しい姫様がいました。
ある日姫様は山々が余りにも美しいので散策に出掛けたくなりました。
丁度お殿様(父上)も正室様(母上)も用事がありまして、姫様は一人でお留守番でした。家来たちはお殿様から「姫様を絶対に表に出すな」と言い含められておりました。
そこで姫様は密かに脱出することにしたのです。
城内の馬の世話をしていた少年に声を掛けました。
「これ、そこの者。その馬で私をあの山に連れ行ってくれんか」
「かしこまりました」
少年の名前は「琥珀」と言った。なんでも家族と死に別れ、一人残った姉を捜しているといいます。姫様は涙が出てきたのを止められませんでした。
「おまえ、苦労をしているのですね。なにか私が力になって差し上げましょう」
「いえ、私はなにも・・・」
それきり黙ってしまいました。琥珀は静かに山道を馬を引いていきます。
「あの、寂しくはないのですか・・・」
姫様は思い切って聞いてみました。すると琥珀は突然に口調を変えました。しかし喋り方は変わらず静かに噛み締めるようにです。
「ふん、あなたはお腹が空けば、たらふくうまい物が食べられる。綺麗な服だって何十着も持っているんだろう。そんな奴に哀れみを受けたくはないんだ。放っといてくれ」
「無礼な!私はそんな心の小さき者ではない!ええい!止めい!私はここから歩いて行きます」
「姫様、ごめんなさい・・・つい変なことを言っちまって」
「分かればよろしいのです。ところでおまえ、好きな人はいるのですか」
「いえ」
「そうですか」
ここで姫様は少し考えました。
「琥珀、おまえなかなかいい顔立ちをしているな」
「はぁ?」
「ここで少し休むことにしよう」

珀は馬を止め、姫様が降りるように下に来ました。手を広げ無表情で待ちます。「えいっ」姫様は掛け声と共に琥珀に向け飛び降りました。
次の瞬間琥珀には信じられないことが起こったのです。姫様がお姫様抱っこ(マサに)の状態で唇を合わせてきたのです。
「む、むぐぅ」
「ちゅう」
「プハ、や、止めてください!」
「私が嫌いなのですか。魅力ないのですか」
「い、いえそんな・・・、!!」
琥珀は驚きました。なんと地面に降り立った姫様が帯を外し、あられもない姿に変わっていたからです。
「さぁ、琥珀とやら、おまえもその着物を脱ぐのです」
「う、うわぁ!!」
琥珀は大声で叫び、着物を脱いで、姫様に覆い被さりました。
さっきと違い今度は濃厚な接吻を自分の舌と唾液と共に送り、右手は彼女の左胸に置かれ、ピンと立っている乳首を摩擦しました。左手は今や濡れそぼっている秘所にあてがわれました。
「あん、あはぁん、ああん」
「姫様ぁ!」
「い、いやぁ、苺って呼んでぇ、あん」
琥珀の一物は完全に勃起していて、青い筋が隆起していました。
「ほ、欲しい」
そう言うと自分の秘所を指で開け、もう片方の手で琥珀の物を掴んで言いました。
「来て!!」
「苺ぉ!!」
二人が一緒になった瞬間です。

帰り道、馬の上で姫様が聞きました。
「行く間際におまえの身体の中が光ったように見えたのですが・・・」
「・・・見間違えでしょう。それより夕刻が迫ってきました。少し急ぎますよ」
「そうですか。あの、また会ってくれませんか」
姫様はそう言って琥珀を見ました。「!!」
彼の姿は無く、ただ風が吹いていました。
    ==完==


『続・姫君の名は苺』

馬の扱い方を知らなかった苺姫は、泣く泣く山道を歩いて城に帰ってきました。
城に着くと何かがおかしかったのに姫様は気付きました。従事の者が魂の抜け殻みたいに
ボーっとしています。だけれども昼間の性交と帰りに歩いて帰ってきた疲れで、気に留めませんでした。
お殿様(父上)に今日のことを謝らなければいけないので(勿論琥珀との性交のことは秘密にしておきます。お風呂に入って匂いを落とし)、天守閣にある、殿の部屋に向かいました。日頃優しい父上でも今日は怒られるかなと思って少しいやな気持ちがしました。
「む〜どうしたぁ」
苺姫はとっさにいつもの父上ではないことを悟りました。間の抜けた声を発した口元からは涎が流れていました。どこを見ているのか分からない眼で姫様の姿を捉え「ふぇふぇふぇ」と笑いました。
「失礼します」
苺は即座に席を外し、自分の部屋に逃げ帰りました。身体の震えが止まりません。
考えに考えたのですが意味が分からなかったので眠ってしまおうと思い寝所に向かいました。柔らかい蒲団に入るといくらか安心し、そのまますやすやと寝入ってしまいました。

突然に苺は起こされました。頬を誰かが何回も叩くのです。
「・・・はっ!・・・!!きゃーっ!!」
両手を縛られ、吊るし上げられていました。しかも何も衣類は着けてなく、真っ裸の状態でです。
ふと前方を見ると、甲冑を着けた、背の高い髪の長い若い男が、不気味な笑いを口に現わして苺姫の若い身体を見上げていました。
この状態が絶望的なことを悟った姫様は、その男に言いました。
「お、お主は、誰じゃ?何故このようなことを・・・?」
「ふふふ、おまえにとっては喜ぶべきことだぞ。この奈落の子供が宿せるのだからな」
「な、何を・・・!?」

突然奈落の額の中央から突起物が生えてきました。
「ぐふふ」
「や、やめて・・・」
突起物は苺の眼の前をぐるぐる回り、鼻の先で振るえ(その匂いは形容し難いほど臭くてさらに一種の催眠作用があるようでした)トロンとなった苺の唇をなぞり、口の中に入ってきて、舌をべろべろと舐め回しました。
「私はどうなってしまうのだろう」
姫様が薄れゆく意識の中でそう思った瞬間

「そこまでだぁ!!奈落ぅ!!」

大きな声で叫び、どかどかと走りこんでくる者の気配がしました。犬のような耳を持った少年と、見たこともないような青と白を基調にした服装に身を包んだ少女と、若い僧侶と、もう一人、忍者のような格好をした少女が見えました。
「助かったの・・・?」
そう思うとそのまま気絶してしまいました。

父が死に(病死ということになったらしい)世継ぎもいなかったので、隣の城代に吸収され、苺姫様はその城のお殿様の二号さんとして迎えられました。年を取った正室に代わって殿の子を産むのも遠くないでしょう。
あの日以来、苺姫は、風のように去っていった琥珀という名の少年と、奈落という若い男、犬のような耳を持った少年とその一行のことを必死に捜しましたが、決して見付かりませんでした。
       ==完==

なお少年サンデーで連載されている作品とはなんら関係ありません。
一応見直したのですが、誤字脱字があるかもしれません。編集してくださって結構ですのでよろしくお願いします。

そうです、姫様はスケベだったのでしゅ(爆)













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